第5回メディアと表現について考えるシンポジウム「わたしが声を上げるとき」

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2019年5月18日、「第5回メディアと表現について考えるシンポジウム『わたしが声を上げるとき』」が、東京大学福武ホール地下2F 福武ラーニングシアターにて開催された。

登壇者は、ウ・ナリ氏(キュカ)、小島慶子氏(エッセイスト)、武田砂鉄氏(ライター)、田中東子氏(大妻女子大学)、山本和奈氏(Voice Up Japan)。司会は山本恵子氏(NHK)が務め、市民の声を社会に届けるために何が必要なのかが議論された。

社会で、メディアで軽視される若い女性たち

 2019年1月、アイドルグループNGT48の山口真帆が、自宅玄関先でファンから暴行を受けていたことを告発した。それをNHKなどの主要メディアが報じたところ、翌日のNGT48の公演で山口本人が騒動を謝罪し、炎上した。

ライターの武田砂鉄氏は、アイドルなど若い女性タレントが理不尽な扱いを受けたことを問題視する発言をすると、「女性の味方」という見方をされると述べる。同事件ならば、責任者ではなく被害者本人が謝罪を強いられたことが問題であるはずなのに、なぜか「男性が女性の見方をしている」と論点をずらされるという。

日本社会は、若い女性を軽視することに慣れすぎている。例えば、女性アイドルの「恋愛禁止」は人権侵害であり、結婚報道の際の「なお妊娠はしていない模様」という表現も本来は不必要だ。しかし、初めは違和感のある表現でも、メディアがくりかえしするうちに感覚は麻痺し、やがて自明の理と化してしまう。

 ジェンダー問題を中心に“声を上げること”を支援するVoice Up Japanの代表であり、国際基督教大学の一学生でもある山本和奈氏は、「週刊SPA!」 (12月25日号)に掲載された「ヤレる女子大学生RANKING」に対する抗議運動を起こし、5万筆以上の署名を集めた。その動機は、女性を性的対象化する視点に性犯罪を招く可能性があると感じたこと、「女子大学生」に対する性的なレッテルの付与について当事者として疑問を感じたことにあった。

山本氏は同誌に、廃刊などの措置で問題をうやむやにするのではなく、対話により問題点を理解し、誌面の編集方針を変更するよう求めた。編集部との話し合いでは、編集部内のジェンダー観だけでなく、周囲が声を上げにくいタテ社会的な制作体制にも問題があったことがわかった。

当事者が声を上げることの重要性と難しさ

キュカCEOのウ・ナリ氏が提供する「QCCCA」は、ハラスメントやDV、差別など周囲には言いづらい悩みを匿名で打ち明けあえるウェブサービスだ。その立ち上げの背景には、自身が管理職として勤務するヤフーで、部下からのセクハラ被害の訴えを社内に相談するたびに「仕方ない」「よくあること」と片付けられたことがあるという。また、自身の娘が学校でわいせつな行為を受け、教師に被害を訴えたところ、適切な対応で救われたという経験もきっかけとなった。

ウ氏は、声を上げる行為が難しいのは、(1)組織などで立場が脅かされることへの危惧、(2)二次バッシングや状況が悪化することへの恐怖心、(3)何を話しても変わらないという無力感が原因だと分析する。そのため同サービスでは、悩みを匿名性すると同時に、ユーザーが「応援されている」「共感されている」と感じられる仕組みを設計。バッシングをユーザーの目に触れさせない工夫により、安心して悩みを打ち明けられるコミュニティー作りにつなげている。

また集まった悩みのデータは、社会課題を解決する糸口にするため、メディアへ発信したり、しかるべき企業、機関へ提出したりするという。声を上げることには困難がつきまとうが、その声はだれかを励まし、力になるのだと、ウ氏は強調した。

 メディアとジェンダーについて研究する大妻女子大学の田中東子氏は、当事者が当事者ゆえに声を上げられない理由とその背景を解説した。前出の「週刊SPA!」内で「ヤレる女子大学生RANKING」に挙げられた大妻大学の学生たちに対する聞き取りによれば、(1)記事だけでなく、常日頃から同学の学生が「女子大生」という記号で“ヤレる女”扱いをされて口惜しさを感じていること、(2)当事者が声を上げても響かなかったであろう同記事の問題点が、山本氏ら非当事者のおかげで社会に届いたという感謝があること、(3)傷つけられるのではと想像し、その恐怖心で沈黙してしまっていることが浮き彫りになった。

 世界的に個人主義的イデオロギーが極度に進展した現在、自己責任の風潮と相互扶助への嫌悪感は高まっている。さらに封建的かつ同調圧力の強い日本社会では、より声は上げづらい。そのため田中氏は、当事者だけでなく支援者が声を上げることも重要だと指摘。市民の声が状況の改善を呼ぶ事例は確かに増加しており、メディアはそうした成功体験を積極的に広めていくべきとした。

トラブルを忌避するための沈黙と我慢

 日本社会では、異を唱えることが“輪を乱す”とタブー視されがちだ。2019年5月、「かんさい情報ネットten.」(読売テレビ系)で、性的マイノリティーに対する侮蔑的な取材を受け、スタジオにいた作家の若一光司が「人権侵害だ」と激怒し、その場が凍り付く様子が放送された。

元アナウンサーでエッセイストの小島慶子氏は、この放送で、「差別や偏見、暴力的な行為に対する批判はいけないものだ」というメッセージが伝わってしまったと批判。加えて武田氏は、翌日の謝罪の場面で女性アナウンサーが中心に立たされるなど、不適切な取材を指示した側の責任が問われない構造を問題視した。

 意見を表明することで社会的な立場が脅かされかねない日本社会では、どのように声を上げればいいのだろうか。山本氏は、「週刊SPA!」をめぐる一件を振り返り、ジェンダーの問題を男女の対立に帰結させなかったこと、バッシングがあっても弱音を吐ける支援者の存在を信じたことの2点が重要だったと述べる。

 ことジェンダーにまつわる問題は、女性の/男性の問題にすり替えられやすい。メディアもまた、女性が痴漢に遭ったニュースが流れれば「男性も痴漢えん罪に苦しめられている」、東京医科大学で女性や浪人生に特典差別があったと報じられれば「同じ女性である現役女性医師の65%が理解を示している」と我慢を強い、なかったことにしてしまう。

男性にも、誰かとの比較でつらさを紛らわす傾向はある。先の「週刊SPA!」は30~40代の男性サラリーマンをターゲットとした雑誌だが、一流企業に務めていたが独立して大失敗した人を取り上げた「転落人生」「絶望人生」といった企画が読者に支持されるという。毎日つらい気持ちで通勤している読者が、会社の歯車として働く自分を肯定し、安心できるからだ。武田氏はこうしたビジネスのあり方は非常に病的だと指摘した。

小島氏は、精神保健福祉士の斉藤章佳の言葉を引き、日本社会は「男尊女卑依存症社会」だとする。男女ともに自らが生きる際の苦しさを紛らわすために、「男だから/女だから仕方ない」と男尊女卑に逃げている。小島氏は、メディアはそれを認め、さまざまな立場の意見を聞き、男尊女卑に依拠しない生き方を肯定していくべきではないかと問題提起した。

メディアが、市民が意見を表明する意味とは

 中立公正があるべき姿とされるメディアでは、両論併記など異なる立場の意見を提示しようとしがちだ。しかし田中氏は、価値観の多様化したいまの日本社会でメディアが生き残るためには、目指すべき未来のためにどんな価値観に寄り添うのかを真剣に考え、選択していくことが必要なのではないかと述べる。

問題意識を共有するには、無関心層の知識不足を解消する必要がある。その意味で、メディアも個々の市民、自らの価値観を押しつけるのではなく、なぜそれを選択したのか丁寧に説明し、対話する姿勢をもつべきではないだろうか。

 ウ氏は、韓国には以前から、民主主義に則り市民が声を上げて状況を改善してきたことに言及。日本でも、そうした成功体験が世の中の変容を呼ぶのではないかと示唆しつつ、顔や名前を伏せた形であっても声を上げることがその一歩になるとする。

SNSを中心としたネットの言論空間では、スピーディーに議題が移り変わってしまう。田中氏は、社会の変容を促すには、一つひとつの問題に対して踏みとどまってじっくり議論する場を作り直していく必要性があると結論づけた。

ワークショップ「ストップ、キャンパス性暴力!」(Workshop: Stop Sexual Violence on Campus!)

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<日時>
2019年1月29日(火)14:00~17:30

<場所>
東京大学本郷キャンパス・工学部二号館 9 階 93B 教室

<登壇者>

●ゲストスピーカー
アダム・R・ダッジ弁護士(法務/テクノロジー・ディレクター/DVシェルター「ローラの家」)

●コメンテーター
矢口祐人氏(東京大学大学院総合文化研究科教授/アメリカ研究)
キム・ユニス氏(韓国・梨花女子大学校法学専門大学院教授)
鈴木由真氏(東京大学大学院教育学研究科博士課程)
渕上貴史氏(創価大学学生)
春藤優氏(早稲田大学学生)
横井桃子氏(上智大学学生)

●コーディネーター
第一部=林香里氏(東京大学大学院情報学環教授)
第二部=ミーシャ・ケード氏(上智大学学生)

<開催趣旨>
 近年、大学で深刻な性暴力が起きていることが、報道により明らかになっている。だが、大学内での性暴力の防止措置や被害者救済の制度は整っているとは言い難いのが現状だ。また学生や教員のほとんどが、性暴力とは何を指すのか、性暴力を起こさないためにどうすればいいのか、また被害に遭ってしまったらどうすればいいのかといった知識を持っていないのではないだろうか。
本ワークショップでは、海外では大学での性暴力をなくすためにどのような取り組みや制度があるのかを学び、日本での取り組みにつなげたい。

●本ワークショップの目標
(1)アメリカにおける性暴力防止のシステムと制度を学ぶこと
(2)アクティビズムがいかに人々に気づきをもたらし、キャンパスにおける性暴力予防システムにつながるかを学ぶこと
(3)日本の大学における性暴力の実態について考えること

主催:東京大学大学院博士課程教育リーディング・プログラム「多文化共生・統合人間学プログラム」(IHS)教育プロジェクト S

協力:MeDi メディア表現におけるダイバーシティ向上を目指す産学共同抜本的検討会議、Meridian180, Buffet Institute for Global Studies, Northwestern University、一般社団法人ちゃぶ台返し女子アクション、「とっとこ」ジェンダームーブメント(東京大学学生サークル)

Book Talk 姫野カオルコ『彼女は頭が悪いから』

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<日時>
2018年12月12日(水)19:00~21:00

<場所>
東京大学駒場キャンパス21 KOMCEE

<登壇者>

●講演者
姫野カオルコ氏(作家)

●パネリスト
大澤祥子氏(ちゃぶ台返し女子アクション)
島田真氏(文藝春秋)
瀬地山角氏(東京大学大学院総合文化研究科教授)
林香里氏(東京大学大学院情報学環教授)

●司会
小島慶子氏(エッセイスト)

<開催趣旨>
 2016年に起きた東大生らによる強制わいせつ事件に着想を得た話題の小説『彼女は頭が悪いから』(2018年、文藝春秋)。執筆の動機や制作秘話を作者である姫野氏に伺いつつ、登壇者と会場との対話を通して下記について考察したい。
・性の尊厳、セクシュアル・コンセントとは?(性暴力事件の再発防止には何が必要か)
・「学歴社会」と性差別について
・「東大」というブランドとの付き合い方、向き合い方

主催:東京大学大学院博士過程教育リーディング・プログラム『多文化共生・総合人間学プログラム』、メディア表現とダイバーシティを抜本的に検討する会(MeDi)

協力:株式会社文藝春秋

第4回メディアと表現について考えるシンポジウム「それ“実態”とあってます? メディアの中のLGBT」

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2018年12月2日、「第4回メディアと表現について考えるシンポジウム『それ“実態”とあってます? メディアの中のLGBT』」が、東京大学福武ホール地下2F 福武ラーニングシアターにて開催された。

登壇者は、隠岐さや香氏(名古屋大学)、藤沢美由紀氏(毎日新聞)、ブルボンヌ氏(女装パフォーマー、エッセイスト)、増原裕子(トロワ・クルール)。司会は小島慶子氏(エッセイスト、東京大学)が務め、LGBTに関するメディア表現について、当事者を交えて議論された。

LGBTに関するメディア表現と当事者たちの反応

 近年、LGBTにまつわるイシューやコンテンツに注目が集まっている。LGBT当事者たちは、これらをどのように受け止めているのだろうか。

2018年、男性同士の年の差恋愛をモチーフにした深夜ドラマ「おっさんずラブ」(テレビ朝日系)が大ヒットした。男性同性愛者で女装パフォーマー、エッセイストのブルボンヌ氏は、同作がゲイ当事者の間で広く支持されたと述べる。若くて美しい男性で構成されがちなボーイズラブと異なり、年齢、容姿ともに多様な男性が登場したことが要因だ。

女性同性愛者でLGBTアクティビストの増原裕子氏は、同性愛と異性愛がほぼフラットに描かれていた点で同作を評価した。「同性愛」「ゲイ」といった表現がほとんどなく、登場人物が無理矢理カミングアウトさせられたり偏見に苦しんだりといったシーンも少なかったため、LGBT当事者を含む視聴者に広く受け入れられたと考えられる。

 一方で、女性同士のラブロマンスを描いた映画「CAROL」(2014年/イギリス)のように、女性同性愛に関するコンテンツに登場するのは若く美しい女性ばかりになりやすい。女性同性愛はポルノのいちジャンルとして長く男性に消費されてはきたが、「おばさんずラブ」のような形でヒットすることは難しいだろうと増原氏。ブルボンヌ氏は、アイドルファンの例を挙げ、コンテンツ消費においても女性より男性のほうが若く美しい異性を追い求める傾向にあるためではないかと推察した。

 他方で、2018年にLGBT当事者たちに大きな波紋を呼んだのが、「新潮45」(2018年8月号)での自民党の杉田水脈衆院議員の発言だ。杉田議員は「LGBTは子どもを産まない、生産性がない」などとして炎上し、最終的に同誌は休刊に追い込まれた。

 ブルボンヌ氏によれば、杉田議員の発言はLGBT当事者の多様性、そして分断を可視化した。同じLGBT当事者といっても、個々に抱えるトラウマや直面する困難、問題意識は異なるため、十把一絡げにはできない。当事者およびその周囲の人々でも、同発言に対する見解がわかれたのみならず、SNS上では極端な反論や共感も目立ったという。

杉田議員の発言は、LGBT非当事者のあいだでも賛否両論を巻き起こした。これまでネット空間におけるLGBTの話題は、ボーイズラブや萌えの文脈から比較的好意的に受容されてきた。しかし、2017年9月に男性同性愛者を思わせるキャラクターが差別的だと物議を醸したバラエティ番組「とんねるずのみなさんのおかげでした」(フジテレビ系)をめぐり、抗議文に応じる形でフジテレビ側が謝罪した頃から風向きが変わり、ネット上にバックラッシュが起きつつある。

 思想史を研究する名古屋大学の隠岐氏は、極端な意見は国を超えて連帯しやすいこと、TwitterなどSNSは極端な意見が目立ちやすくマジョリティーの意見が見えにくくなることを挙げ、そうした背景にも気遣いたいことに言及した。

メディアの取材を受け、傷つけられるLGBT当事者たち

 コンテンツのヒットや炎上事件だけでなく、自治体による同性パートナーシップ制度や企業によるLGBT社員への福利厚生など制度の整備という面でも社会が変容し、LGBTに関する報道の数もまた増加している。メディアがLGBTについて取り上げる際の問題点とは、何なのだろうか。

2014年からLGBT関連の取材を続ける毎日新聞記者の藤沢美由紀氏は、記事の執筆だけでなく、2015年からは社内勉強会の開催や用語集の作成に取り組んできた。しかし、自社を含めて新聞の表現にさえいまだLBGTの不理解を感じること、被取材者から記者の問題ある言動を見聞きしたこと、用語の誤用がなくならないことを問題視し、2018年4月には、新聞やテレビ、ウェブメディアで取材を受けたLGBT当事者70人を対象にアンケートを実施した。

 同アンケートでは、約9割がメディアによる取材はLGBTに関する知識の周知や当事者同士の連携につながったとする一方で、同様に約9割が不快な経験をしていることがわかった。

「過去5年以内に取材を受けて経験したこと」で最も多かったのは「記者が勉強不足だと感じた」(66%)で、性的指向と性自認を混同したり、差別的な発言や用語の誤用があったりという具体例が挙げられた。LGBTに関する勉強不足は被取材者自身のアイデンティティーを否定するため、人権の観点からも問題視される。また、性自認と異なる性別として物事を対処されるなどセクシュアリティーを尊重されないケース、許可していない情報の公開、撮影不可エリアの撮影など、アウティングにつながるようなプライバシーの侵害があったケースも少なくなかった。

 「過去5年ほどで目にした報道で違和感を抱いたもの」として挙がったのは、「誤った用語の使い方や説明」(77%)、「先入観のある描き方」(73%)、「差別的な言葉づかいや表現」(36%)など。その他では、「同性婚への反対など当事者のネガティブな意見を同じ分量で取り上げないでほしい」という意見も無視できないだろう。ことに新聞媒体は中立の立場を表明するために両論併記をしがちだが、藤沢氏は差別を受けている少数派の人々の人権を守るためには、それが必要ない場面もあるのではと問題提起した。

 現在、「LGBT」は性的少数者を包括的に示す単語として使用されがちだ。しかしLGBTという単語は、キャッチーな響きでその認知度向上に貢献した一方、Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー、性別越境者)の頭文字をとったものであり、その他の性的少数者を排除しかねない。そのため、「Q(Queer=性的少数者)」「I(Intersex=性分化疾患)」を併記した「LGBTQ」「LGBTI」などが使用されることもある。

 近年は、「SOGI(Sexual Orientation Gender Identity=性的志向と性自認)」をベースとした考え方も広まりつつある。これは、性的少数者をマイノリティーとしてくくるのではなく、性的多数者を含むすべての人がそれぞれにSOGIをもつというもの。性的少数者も性的多数者と地続きであるという意識が、少しずつ広まってきているのだ。

 個人やメディアの発信とは別の難しさがあるのが、法律など制度を作る際の言葉選びだ。隠岐氏は、公式文書を作成する際、当事者団体等には認識されているが、公的な組織および法律において合意された定義のない言葉の使用が難しいことを指摘。自身が所属する日本学術会議「LGBTIの権利保障分科会」では、やむをえず「Q」ではなく「I」を加えているとする。「I」は国際連合の公式文書での使用例があるが、「Q」にはそれがない。

 呼称となる言葉には、正確性が求められる。一方で、性的少数者をめぐってはさらなる認知の拡大が必要であり、不正確でもキャッチーな言葉を選択したほうがよい場面もあるだろう。

 例えば、2018年11月に公開されたソーシャルゲーム「美少女戦士セーラームーンCrystal×モンスターストライク」のCMでは、セーラー戦士に扮したタレントのりゅうちぇる、メイプル超合金のカズレーサーと安藤なつ、モデルの多屋来夢が登場し、「楽しいことも、ジェンダーフリーに」というメッセージが流れる。ジェンダーフリーとは、性別役割にとらわれないこと。3人のうちカズレーサーは、バイセクシュアルを公言してはいるものの、ジェンダー役割にとらわれずファッションを楽しむほかの3人とはキャラクターが異なる。だが、そうした“なんとなく”な言葉のチョイスが、LGBT当事者を含め意外と好意的に受け止められているのも事実なのだ。

受け手の肯定的な反応がメディア表現の正義を決める

 質疑応答では、ネット空間でのメディアと受け手の対話について議論が深められた。媒体の両論併記に関する質疑を受け、隠岐氏はいまメディアに求められているのは個々の人権に関する考え方の表明だと指摘。LGBTに関して報じる際、メディアはむしろ積極的にポジションを取っていくべきとした。また受け手側も、人権を尊重する報道、コンテンツに対して積極的に肯定的な意見を出していくべきであり、それこそが極論の目立ちやすいネット空間を健やかに保つ鍵になる。LGBT非当事者はできることはないと勘違いしがちだが、身構えず、好ましい人権観を広めていくことが平等につながると結論づけられた。

第3回メディアと表現について考えるシンポジウム「炎上の影に“働き方”あり! メディアの働き方改革と表現を考える」

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2018年5月12日、「第3回メディアと表現について考えるシンポジウム『炎上の影に“働き方”あり! メディアの働き方改革と表現を考える』」が、サイボウズ東京オフィスにて開催された。

登壇者は、大門小百合氏(ジャパンタイムズ)、白河桃子氏(少子化ジャーナリスト、相模女子大学)、たむらようこ氏(べイビー*プラネット)、中川晋太郎氏(ユニリーバ・ジャパン)、林香里氏(東京大学)、古田大輔氏(BuzzFeed Japan)、山本恵子氏(NHK国際放送局)、渡辺清美氏(サイボウズ)。司会は小島慶子氏(エッセイスト、東京大学)が務め、メディアの職場環境が表現に与える影響について、さまざまな立場から意見が交わされた。

セクハラはメディアの女性にとって日常茶飯事

2018年4月、財務省の福田淳一事務次官によるテレビ朝日の女性記者へのセクハラが報じられた。トップ官僚のハラスメントは瞬く間に炎上し、福田事務次官は辞職。一方で、夜の飲食店で一対一の取材をしていた女性記者には、ハラストメントを誘発したと不当な非難の声が上がった。

 NHK国際局に所属する記者歴23年の山本恵子氏は、夜に行う一対一での取材は、記者にとってスタンダードな方法だとする。そもそも記者とは一対一で信頼して付き合える警察や検察、官庁などの情報源を持っているものであり、多忙な彼らからスクープとなる話を引き出すためには、深夜や早朝に予告なく取材先を訪れる「夜討ち朝駆け」が定石とされている。

 「ジャパンタイムズ」執行役員・編集局長の大門小百合氏は、記者の世界では同様のセクハラは日常茶飯事だと述べる。同紙では福田事務次官のセクハラ報道を受け、一面で女性記者のセクハラ被害について報じたが、なかには警察官による性暴力や元総理秘書官からのセクハラ、省庁のトップ官僚による執拗なストーキングまでもがあった。

 女性記者たちは、(1)情報源からのセクハラは仕方ないという企業風土(2)「女性記者は面倒くさい」というレッテルへの恐れ(3)配置換えなどにより記者職のキャリアを失う可能性(4)誤解のある報道がなされてセカンドレイプにつながる可能性といった理由から、声を上げずにきたという。しかし、自分たちが黙認することでセクハラの連鎖が続いていくのではという危惧が告発につながった。

元朝日新聞記者で現在はジャーナリスト、和光大学教授の竹信三恵子氏は、日本では情報公開制度など透明性のある情報アクセス権が確立していないため、取材先との癒着などが横行せざるを得ず、記者たちはアウトロー的な一体感を抱きがちだと指摘する。そうした空気に同調しない記者は、嫌がらせや人権侵害、不公正で主観的な評価を受け、なかでも少数派である女性は人権を踏みにじられてきた。

他方で、テレビのバラエティーやアニメ番組の制作現場では、セクハラの質が性暴力からいじめへと変化している。べイビー*プラネット代表取締役社長として女性の放送作家を束ねるたむらようこ氏は、制作現場の男性たちの強い女性に対する不満が、下請けなどヒエラルキーの下部に属する女性への攻撃に変わっていると述べた。

メディアにおける職場の多様性と表現の関係

多くの一般企業で多様性が一番のハラスメント対策だといわれるなか、メディア業界は女性の比率が極端に低い。テレビ業界は放送事業者を頂点として、局の子会社など有力番組制作会社、中小の番組制作会社が続くピラミッド構造になっているが、そのいずれにおいても女性比率は極めて低く、男女の不均衡は給与や教育程度にも及んでいる。

 こうした男女の不均衡は、表現にどう影響するのか。たむら氏は、男性があまりに多く自らの侮蔑的な視線を客観視できない「数の暴走」と、男性の思い込みでゆがんだマイノリティー像が描かれる「思い込みの暴走」が、差別的な人物設定や企画を呼んでいると考察する。

 また報道の現場では、ニュースの取捨選択をするデスク職、番組内で報じるニュースの順番や長さを決める編集長職に多様性があるかで、報じられるニュースのラインナップが変化する。山本氏は、ことに給与水準の高い意志決定層の社員は共働き家庭ではないため、待機児童やワークライフバランスなどの問題を問題だと認識することすら難しいと述べた。

 一方、多様性のある職場では、常識を疑う視点が生まれる。朝日新聞で13年の記者経験を持ち、現在ネットメディア「BuzzFeed Japan」編集長を務める古田大輔氏は、転職後、職場環境が180度変化したことに言及。BuzzFeed全体において、職場のダイバーシティーの重視と個々のアイデンティティーを尊重し合う社内風土が、多様性のあるコンテンツを生んでいるとした。またそれが起因し、読者も男女半々かつ年齢層も幅広いと示唆する。

また、職場の多様性はメディアの訴求力にも影響する。さまざまなトピックについて関心のある人と関心のない人が対等に議論する場を作れるため、多くの人に届くメッセージを作ることが可能だからだ。

たむら氏が取締役社長を務めるベイビー*プラネットは全員が女性だが、その理由は男性優位な業界内でのダイバーシティーを担保するためだという。番組の制作会議では常に男性目線が判断軸となるため、女性であってもその価値観を内在化させやすい。マイノリティー同士で連携することが、テレビ業界の女性たちが自分の感覚を信じるすべになっている。

さまざまな属性、ライフステージのスタッフを所属させ、職場に多様性を持たせるためには、働き方改革が必要不可欠だ。ジャパンタイムズでは、管理職に子育て中の女性がデスク職に就いたことでテレワーク化が進み、職場の女性比率や有休消化率が改善された。ハラスメントに関して防止規定や報告窓口も整備している。

NHKの働き方改革には、番組制作の際に働き方改革に取り組むと予算が増える仕組みもある。たむら氏は、深夜、休日労働が禁止されたことで男女比が均等になった番組の制作では表現に多様性を感じたと指摘した。

スポンサー企業の考える多様性と表現

 メディア表現の炎上は、広告主にとってそのブランドを損ねるリスクがある。日用品メーカーのユニリーバ・ジャパンでマーケティング・ダイレクターを務める中川晋太郎氏は、炎上が起きれば抗議文やスポンサー降板もありうるとする。なお、出稿しているテレビ番組であっても、放送される内容を事前に知らされることはないと述べる。

中川氏は、明らかに炎上が予測される時代錯誤なコンテンツは、出稿主のリスクだけでなく公共性の面からも問題だと指摘。コンテンツを届けるため、炎上する可能性を前提にあえて極端なメッセージを選択して賛否両論が起こるのとは、まったくの別物だとした。

 ユニリーバ・ジャパンやIT企業サイボウズといった働き方改革の進む企業では、すでに個々が働く時間や場所を選択できるようになっており、社員のモチベーションの向上や離職防止につながっている。サイボウズのコーポレートブランディング部の渡辺清美氏は、性別だけでなく各々の属性やライフステージ、キャリアが個性と認識されていると強調した。

 ただしサイボウズは、2015年公開の動画CM「パパにしかできないこと」で、性的役割分担を前提としているなどと炎上してもいる。同CMは、多くの子育て世代の共感を呼んだ前年公開の動画CMのスピンオフ版で、母親だけでなく父親にもフィーチャーしてほしいという社内の声により企画された。渡辺氏は、2つのCMのストーリーはともに東北新社の子育て中の若い女性が考案したことに触れ、どちらの企業にも「父親には子育てはできない」という思い込みがあったことを指摘した。

なぜメディア表現は多様であるべきか

登壇者の発表の終了後は、メディアの表現と多様性について考察が深められた。白河氏は、海外で広告表現には多様性が欠かせないものになっていることを示唆。例えば2015年、世界最大の広告イベント「カンヌライオンズ」で、差別や偏見を打ち破るアイデアに送られるグラスライオンズという賞が新設された。イギリスの広告業界では、性別にもとづくステレオタイプを助長する表現を禁止する動きがある。

 質疑応答では、「メディア業界でセクハラへの容認や長時間労働が当然とされる一因には、報道する側の特権意識がある」との問題提起があった。質疑者は「国民の知る権利に応えるためには我慢が必要だ」とよく聞かされたという。

林氏は、そうした過去の理想像は問い直されるべきと示唆。読者、視聴者がネット上で顔を出して意見し合う現代において、メディアの発言者にも思いを問われるようになっている。その意味で、メディア表現の受け手側にもまた公共性について考え、評価する姿勢が必要なのではないかと位置づけた。

第2回メディアと表現について考えるシンポジウム「徹底検証 炎上リスク―そのジェンダー表現はアリか」

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2017年12月20日、「第2回メディアと表現について考えるシンポジウム『徹底検証 炎上リスク―そのジェンダー表現はアリか』」が、東京大学福武ホールB2F・ラーニングシアターにて開催された。

登壇者は、伊東正仁氏(損保ジャパン日本興亜)、小島慶子氏(エッセイスト)、鎮目博道氏(テレビ朝日)、千田有紀氏(武蔵大学)、高田聡子氏(マッキャンエリクソン)、松中権氏(NPO法人グッド・エイジング・エールズ)。司会は治部れんげ氏(ジャーナリスト、昭和女子大学現代ビジネス研究所)が務め、SNSでの炎上がなぜ起こるのかについて多角的に議論しながら、メディア表現のあり方を探った。

テレビCMよりもウェブCMが炎上しやすい理由

 近年、広告やメディアの表現が差別的だとして、SNSを中心に炎上するケースが頻発している。広告代理店マッキャンエリクソンでクリエイティブディレクターを務める髙田聡子氏は、一般的な広告制作の仕方に触れつつ、炎上の背景を考察した。

 広告の制作は、企業などクライアントからの発注から始まる。広告代理店は商品やサービスをPRするための戦略、企画を立案し、制作会社とともに広告を制作。その後、購入したテレビや新聞、動画配信サービスなどの広告枠に出稿する。

 広告のひとつであるCMには、テレビCMとウェブCMの2種類がある。炎上が起こりやすいのは圧倒的に後者だ。高田氏は、それを双方の作られ方の違いに起因するものだと述べる。

テレビCMは大きな予算が割かれることもあり、現場のみならず広告代理店の法務チェック、クライアントの幹部による試写、テレビ局の考査など多くの審査が行われる。一方で、ウェブCMは予算が少なく、テレビCMほどの審査が行われない。またメディアに出稿するための予算も少なく、制作側は冒険してバズらせなければというプレッシャーにさらされているのだという。

 高田氏は、「バズることと炎上は表裏一体」だと指摘。“刺さる”CMは心の奥に響く一方で、心を深く傷つけるリスクも同時に抱えているとした。

 クライアント自身が炎上を狙うことは99.9%ないと高田氏。炎上は、積み上げてきたブランドイメージを一気に崩壊させてしまうからだ。

伊東正仁氏が取締役常務執行役員を務める損保ジャパン日本興亜では「ネット炎上対応費用保険」という商品も登場している。保険とは、一定の発生率があり、同時に一定のリスクがあるときに初めて成立する商品。つまり、企業にとって炎上は、保険をかけておきたいほどにハイリスクと見なされているのである。

テレビメディアのなかの性的マイノリティー

2017年9月、バラエティ番組「とんねるずのみなさんのおかげでした」(フジテレビ系)の30周年記念特番で、保毛尾田保毛男という男性同性愛者を揶揄したキャラクターが再登場し、SNSを中心に炎上した。

LGTBの視点から多様性のある社会を目指すNPO法人グッド・エイジング・エールズの松中権氏は、議論をネット上で終始させないため、翌朝に抗議文という形にまとめてフジテレビへ提出。翌週には両者による話し合いの場が設けられ、同月末の定例会見ではフジテレビ社長自らが公式謝罪するに至った。

 30年あまり前に大ヒットした同キャラクターは、男性同性愛者のステレオタイプを作り上げ、イメージを固定化。偏見の目で見られた当事者がいじめに遭ったり、家庭から追い出されたりする原因にもなったと松中氏は指摘。テレビで放送された差別的表現は、翌朝には学校や職場で再生産される。放送の翌朝に抗議文を提出した目的は、メディア表現のあり方の再考を促すと同時に、差別の再生産を止めることにもあった。

フジテレビは協議の席で、同キャラクターが放送されるに至った理由を、バラエティ番組の台本がドラマなどと異なり、直前まで考査部でのチェックが行われないことにあると説明したという。ただ松中氏は、制作現場のヒエラルキーが強固で、制作をリードするプロデューサーやディレクター、放送作家、タレントなどが強力な意思決定権を握っていることが最大の理由だと述べる。事実、今回も差別的ではと危惧する若手スタッフたちはいたものの、声を上げることはできなかったという。

一般企業ではいま、ダイバーシティの実現こそが成長の要と認識されている。しかし、テレビ朝日の報道局クロスメディアセンターでネットテレビ「AbemaTV」にも関わっている鎮目博道氏は、古いコンテンツによって好調な時代を取り戻そうという時代錯誤な意識が、テレビ業界全体に蔓延していると話す。ネットテレビであっても、男性目線で制作された番組の視聴率が高い傾向があり、マイノリティーへの配慮はされづらい環境だ。

テレビで“オネエ系”と呼ばれる性的マイノリティーたちが活躍する一方で、そのイメージがステレオタイプ化していること、レズビアンやトランスジェンダー男性がほぼ登場しないことを問題視する声もある。男性優位社会であるメディア業界において、男性が女性の側へ「降りる」ことは許されても、女性が男性の側に「上がる」ことは許されないのだろうという言及もあった。

炎上はしないけれど……グレーなメディア表現を考える

 メディア表現の難しさは、明らかに差別的なものばかりではない点にある。2017年11月に公開されたP&G「JOY」の動画CM「ふたりでわけあうもの」は、共働き夫婦の家事分担と気持ちの分かち合いをテーマにして子育て世代の共感を得た。

だが、社会学者の千田有紀氏は、同CMの大学生からの評価は低いと述べる。描かれた夫婦像が学生たちにとって理想として機能しておらず、また男女ともに生涯未婚率が上がり続けるいま、その夫婦像は羨望の対象として、同時に叶えがたい夢としてダブルバインド的にも映るからだ。

他方で松中氏は、日本では広告全般においてストレートカップルのみが幸福な家族像として描かれがちであり、海外と大きな温度差があると指摘した。

 2018年の冬季オリンピックに向けて2017年11月に公開されたP&GのグローバルCM「Thank You, Mom(ゆるぎない母の愛)」は、不平等や偏見といった困難に立ち向かうアスリートを影で支えた母親の姿を描いたものだ。

高田氏によると、同CMは登場する人物の人種や宗教、障がいの有無などが多様であるという点から、世界的に絶賛された。しかし、同CMは性的役割分担の肯定だけでなく、子どもの将来が母親の努力次第で決まるというメッセージを読み取ることもできる。その意味で、登場人たちに共感できない母親、そして子どもたちを抑圧しかねないという意見も挙がった。

2016年11月に公開された宮崎県日向市のPR動画「Net surfer becomes Real surfer」は、ネットサーフィンが趣味の小太りの青年が、日向市でサーフィンをはじめて内面、外見ともに変化していくストーリー。高田氏は、自然な形で若者の成長を描いたとして業界内で高く評価されている作品だと述べる。

それに対し、鎮目氏は変化前の姿に共感があるとして不快感を示した。同様に、自身を否定されたようで不快になる視聴者はいるだろう。ただ千田氏は、男性が今まで突きつけられてこなかったルッキズムを体感するという意味では、問題提起的でもあると評価した。

多様性のあるメディア表現とは何か

 質疑応答では、テレビや広告でのメディア表現について制作者、出演者の意見を交えてあらためて議論が深められた。

「テレビの出演者には自ら差別的に笑われることを望む人もいる」という質疑者の意見に対して、アナウンサーとして15年放送局に勤務経験のあるエッセイストの小島慶子氏は、そもそもテレビ業界には、自ら笑われることができる出演者は優秀であるという空気があることに触れた。

しかし、テレビ番組やCMで放送、公開が終了しても、職場や学校においては、容姿や年齢を笑いに変えられないのは野暮だという暴力は終わらない。出演者は自身がロールモデルになり得る自覚を持つべきであり、一方の視聴者は個人攻撃をするのでなく、暴力が商品として扱われ、広くシェアされる業界の構造を疑うべきと強調した。

 別に質疑者からは「SNSなどで批判が可視化されるようになり、制作はしにくくなっているのではないか」という疑問が上がった。高田氏は、多くの制作者が企画の段階からSNSでの反応について視野に入れていると述べつつも、そもそもすべての人が100%納得するメッセージは存在しないと示唆。重要なのは、一定の価値観に偏らず議論の余地を残すことではないかと結論づけた。

第1回メディアと表現について考えるシンポジウム「これってなんで炎上したの?」「このネタ、笑っていいの?」

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2017年5月20日、「第1回メディアと表現について考えるシンポジウム『これってなんで炎上したの?』『このネタ、笑っていいの?』」が、東京大学福武ホールB2F・ラーニングシアターにて開催された。

登壇者は、大澤祥子氏(ちゃぶ台返し女子アクション)、加藤美和氏(UNWOMENアジア太平洋部長)、小島慶子氏(エッセイスト)、白河桃子氏(ジャーナリスト)、竹下隆一郎氏(ハフポスト日本版編集長)、田中東子氏(大妻女子大学)、羽生祥子氏(日経DUAL編集長)、緑川由香氏(弁護士)。司会は林香里氏(東京大学)が務め、セクシュアリティーをはじめとしたマイノリティーに関するメディア表現について、さまざまな角度から議論が行われた。

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